易経の64卦と二進法は同じ?数学的な共通点と歴史の違い

易経の64卦と二進法には、二つの記号を6か所に並べると64通りになるという数学的な共通点があります。ただし、64卦が現代のコンピュータや64ビット技術を生んだ、という意味ではありません。数の表し方と、卦に託された意味を分けて見てみましょう。

64卦はなぜ64種類あるのですか?

『易経』の卦は、切れ目のない線(陽)と切れ目のある線(陰)を6本重ねて表します。各段に2通りの選択肢があるため、組み合わせは2×2×2×2×2×2=2の6乗=64通りです。『易経』の「繋辞下」も八卦を重ねて64卦ができることを述べています。『易経』「繋辞下」の本文で確かめられます。

6ビットと64卦は同じものですか?

各段の陰陽を便宜的に0か1へ置き換えれば、6桁の0と1で64通りを表せます。この意味で、64卦の図形と6ビットの並びは一対一に対応します。一方、二進法は0と1を使って数を表し、計算する仕組みです。卦は図形に意味を与えて変化を読む体系で、同じ数の組み合わせが得られることだけで、用途や歴史まで同一にはなりません。なお「64通り」と「64ビット」は別です。64ビットなら各桁に2通りがあるので、表せる並びは2の64乗通りです。

ライプニッツは易経から二進法を発明したのですか?

そうは言えません。ライプニッツは1703年の二進法論文で、自分の0と1の数え方を宣教師ジョアヒム・ブーヴェへ伝えた後、ブーヴェが伏羲図と対応づけて返書を送った経緯を書いています。史料が示すのは、両者が二進法と卦の図形の似た構造を見いだして交流したことです。ライプニッツの1703年の論文(原文)。この交流を、易経がコンピュータの技術的な起点だったという説明に広げることはできません。

鍼灸を学ぶ人にはどう役立ちますか?

陰陽という二つの区別から多様な組み合わせを考える発想は、伝統思想を学ぶ入口になります。ただし、数学的な対応は、陰陽説や鍼灸の治療効果を科学的に証明するものではありません。歴史的な思想、数の規則、医療研究は、それぞれ別の資料で確かめることが大切です。

よくある質問

64卦はコンピュータの64ビットの元祖ですか?

いいえ。64卦は6本の線による64通りの図形です。64ビットは64桁の0と1で情報を扱う仕組みで、数も用途も異なります。

陰陽を0と1に置き換えてよいですか?

組み合わせの規則を説明する場合には可能です。ただし、置き換えた0と1に卦の意味がそのまま含まれるわけではありません。

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